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<寄生動物用薬>
抗原虫剤
配合剤
ファンシダール(錠)
マラリアの治療(および予防)の薬である。
適応:マラリアの治療(と予防)。
用法:治療=初日1回2錠、翌日1回1錠。治療は、計3錠を服用して終了。予防=週1回1錠服用。現地に停泊している間は、毎週1回1錠服用。現地出港後も2−4週間続ける、注意:発疹、じん麻疹、かゆみ、はき気、嘔吐、舌炎、口内炎、下痢、頭痛、不眠、などの副作用が現れることがある。
保管:室温保存。
(注)WHOは「ファンシタール」の予防内服を認めていない。
駆虫剤
コンバントリン(錠 100mg)
虫体を麻痺させて、便とともに排出させる。
適応:ぎょう虫、回虫、鉤虫、東洋毛様線虫の駆虫。
用法:1回量5錠。食事に関係なく服用し、下剤を使用する必要もない。
注意:腰痛、はき気、下痢、頭痛、めまい、などが現れることがある。
保管:遮光・室温保存。
[注射薬]
1. 注射を行う場合は、必ず医師(含医療通信)の助言によって実施する。
2. 衛生管理者が行う注射は、皮下および筋肉内に限り、静脈内注射は厳禁されている。
3. 船員の生命に危険が急迫したときは、医師(または医療通信)の助言を得られないまま実施せざるをえないが、そのような場合は、事後であっても助言を求めるべきである。

 

<中枢神経系用薬>
催眠鎮静剤
バルビツール酸系製剤
フェノバール注(管 10% 1ml)
強力で長時間続く催眠作用のほか、痙れんを和らげ、亢奮を静める。習慣性があるから注意する。
適応:脳出血、吐血、喀血などにおける不安・克奮、およびてんかんなどの座れん発作に有効。
用法:1回量50−100mg(1/2−1管)を1日1−2回、皮下または筋肉内に注射する。
保管:遮光・室温保存。(注)10% 1ml=100mg
解熱鎮痛消炎剤
ペンタゾシン製剤
?@ペンタジン注射液(管 15mg 1ml)
?Aソセゴン注射液(管 15mg 1ml)
中枢神経の知覚路を遮断して、鎮痛作用を現す。鎮痛効果は15−20分で現れ、2−3時間続く。
適応:心筋梗塞の発作時のなどの激痛。
用法:1回量15mg(1管)を皮下または筋肉内に注射する。
注意:1. めまい、ふらつき、はき気、呼吸困難、幻覚、不快感、爽快感、などを起こすことがある。
2. 医師の助言に基づいて使用する。緊急やむを得ず用いる場合は、本書の適応によること。
3. 反復使用すると依存をきたすことがあるから、同一人に繰り返して使用しないこと。
4. 注射後は、必ず臥床安静を守る。
5. 呼吸困難が現れた場合は、呼吸促進剤(テラプチク筋注)を用いる。酸素吸入を併用する。
6. 本剤に添付されている効能書(説明書)には、各種癌・術後・尿路結石・消化性潰瘍などの鎮痛とあるが、尿路結石・消化性潰瘍などの鎮痛には鎮けい剤(内用薬・坐薬)を用いる、などの配慮が必要である。
保管:遮光・室温保存。盗難に注意する。

 

 

 

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